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2025/11/14 19:30

こんばんは!ともみです。


今日は、タイトルにもある通り、トスカーノバフの床面(裏面)にある「漉きムラ」についてご説明をしたいと思います^^

先日お客さまより、革の裏面にあるシミのようなものはなんですか?
とご質問をいただきました。



奥の一部分だけ色が濃くなっているの、お分かりいただけますでしょうか?


ずいぶん前になにかでちらりとご説明しただけで、特にブログや投稿にも取り上げていなかったので、それは届いたらびっくりしてしまいますよね…汗

驚かせてしまって、ごめんなさい。


この「漉きムラ」が存在するのは、今のところトスカーノバフを使用した作品のみなのですが、

kulehaで扱うトスカーノバフは、元の厚みが2.2㎜ほどで、そのままでも分厚くてかっこいい作品が作れるのですが、もう少ししなやかに、そして軽量化を図りたい…!

ということで、国内で職人さんに革の厚みを調整してもらっています。

この時に、革の厚みを均一にする「漉き」という作業をするのですが…

1枚の中でも厚みが均一でない動物の革を漉くことだけでも十分難しく、熟練の感覚が必要なのですが、それに加えてkulehaで依頼してる厚みが1.8mmという、超絶妙な厚み。。。
0.4㎜だけ漉いてくださいって言っているんですよ。。。

今ブログを書いていて、なんてお願いをしているんだとゾっとしました。笑

この時に、もともと少し薄めな部分は漉かれずに、厚い部分だけ漉かれる。そこで生まれるのがこの「漉きムラ」です。


なので、色が濃くなっているところは、革の元々の床面なのです。



なんだか世界地図のよう。




わたしたち鞄職人も、カバンや小物を作る際この漉きという作業は必要不可欠なのですが、漉きってすごく難しいです。

同じ革でも、場所が変われば厚みも、柔らかさも、違うので、些細な違いを手の感覚で読み取りながら、漉きを行います。

それが革1枚まるごとだなんて…ゾゾゾ、です!

近年どんどん減っている漉き加工業者は、現在東京では片手で数えられるほどだそうです。
こんなに革ものを扱うお店があるのに、びっくりですよね!

機械も現存するものしかなく、大切にメンテナンスされながら今もなお、稼動を続けています。

まさに、この革業界を支える、縁の下の力持ちです。


わたしも、1枚きれいに漉かれたものが届いたときは、嬉しいです。
が、やっぱりkuleha作品には、この厚みがちょうどよいのです。

なので、この「漉きムラ」、最初は驚くこともあるかもしれませんが、このような背景があることを知っていただければ、ナチュラルレザーがお好きな皆さまでしたらきっとご安心いただけるのではないでしょうか^^

なので、お手元にある作品にこの「漉きムラ」があったときは

「なにかの模様にみえるなぁ」
「この都道府県の形みたい!」
などなど、ユーモラスに捉えていただけたら嬉しいです^^


これからも、いろんな人たちの関わりがあってkulehaに革が届いていることを忘れずにリスペクトを込めて革を扱っていきたいと思います!


なにか気になる点やご不安がございましたら、お気軽にメールにて、ご相談くださいませ^^

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします^^


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